樋野興夫ブログ 「がん哲学学校」

第215回「がん哲学学校」
『空っぽの器』友の会発足のお祝い〜 『利他性と鈍感性』 〜

2017年05月15日


NPO法人山梨ホスピス協会主催特別講演会(山梨県立中央病院に於いて)で、講演「がん哲学外来へようこそ〜明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」の機会が与えられた。筆者が、癌研時代の職員が、ご夫妻で聴講に来ておられ、約15年ぶりに再会出来、大変、嬉しかった。終了後、スタッフの皆様と有意義な懇親会の時を持った。新渡戸稲造と山梨との関わりについて、話が大いに盛り上がった。『1901年山梨県立甲府中学校 (現在の甲府第一高校) 第5代校長として大島正健が着任すると、内村鑑三と共に新渡戸稲造が、甲府を訪ねているようです。1906年山梨英和女学校の評議員に大島正健が就任すると、以後、新渡戸稲造は、1909年山梨英和女学校卒業式で祝辞、1916年卒業式で講演、1929年8山梨英和40周年記念講演で3回訪ねております。』とのことである。今後、『武田信玄記念 がん哲学外来』が開設される事であろう。楽しみである。

筆者が委員を務める「文京区立さしがや保育園アスベスト健康対策等専門委員会」、また委員長を務める「アスベスト・中皮腫外来推進委員会」に出席した。第90回日本産業衛生学会(東京ビッグサイトTFTビルに於いて)で、『職業性呼吸器疾患フォーラム:中皮腫〜予防から治療の最前線』(座長:森本泰夫、菅沼成文) で、講演『ERC/メソテリンによる建設労働者の研究型検診』をする機会が与えられた。他の演者の純度の高い専門性の発表は、大いに勉強になった。

この度、『空っぽの器』友の会が発足された。筆者は、顧問とのことである。新渡戸稲造は、第一高等学校の校長の時、「学生は、校長室は敷居が高いので、相談に来づらい」と、学校の近隣に、木曜日の午後、場所を設定し、そこには、第一高等学校の学生であった矢内原忠雄も参加していたと、若き日に聞いた。「教育とは『空っぽの器の場の設定』」でもあろう。「人生とは『器に水が入っても穴が開かないよう頑丈』にしていく訓練」であり、「良い出会いとは、『空っぽの器に水を入れてもらう』こと」であろう。しかし、現代、自分で水を入れている人が多いのではなかろうか? それでは、もったいない。器が空っぽなら、誰かが水を入れて呉れ、心が満たされることであろう。「無邪気に喜んで、底が抜けない空っぽの器の提示」である。まさに、『利他性と鈍感性』である。

ページトップへ 

第214回「がん哲学学校」
しっかりと、手を繋いで歩く 〜 迷い子からの脱却 〜

2017年05月08日


NCN(奈良キャンサーネットワーク)若草の会『樋野先生を囲んで、第16回がん哲学外来「大仏さんカフェ」』(奈良県社会福祉総合センター)に参上した。ニュースレター『がん患者たまゆらの手記:珠のコトノハ〜若草からの贈り者〜』には、「『病気であっても、病人でない』社会構築」が、掲載されていた。

兵庫県立尼崎総合医療センター講演会『〜人の心に贈り物を残していく〜「がん哲学外来」』に向かった。「大仏さんカフェ」のスタッフの方が、電車で、同席して下さり、道案内して下さった。兵庫県立尼崎総合医療センターの講堂は、職員・市民・学生で、満席であった。講演では、筆者の「がん哲学外来」の起点でもある、1977年来日のスイスの医師:Paul Tournier の神戸(兵庫県民会館に於いて)での講演の内容である『医師の2つの任務〜学者的な面 & 患者と温かい人間としての関係を築く〜』についても触れた。「中皮腫・アスベスト疾患 患者と家族の会」の皆様も、聴講に来て下さっていた。今秋に開催される「中皮腫・アスベスト疾患 患者と家族の会」での講演を依頼された。病院長、呼吸器内科部長、呼吸器外科部長とは、貴重な、夕食の時を過ごさせて頂いた。

『がん哲学外来メディカルカフェ ひばりが丘1周年記念講演会』(ひばりが丘教会に於いて)で、『「今日」という日の花を摘む』(実業之日本社出版) のタイトルで、講演する機会が与えられた。満員であった。昨年末、同じ会堂で、がんで逝去された方の追悼記念講演会に参上した。まさに1926年ジュネーブ大学での新渡戸稲造の講演『「Retroactive Grace」(恵みは遡って働く)』が甦った。

『がん哲学外来・メディカルカフェ@長久手「たつせカフェ」』講演会(愛知県長久手市)は、大変充実した、有意義な一時であった。名古屋駅には、男子中学生のクラスメートが迎えに来て呉れ、お昼には、女子中学生が、お茶を出して呉れた。「無邪気に、喜んで、小さなことに、大きな愛を込める」姿に感動した。『みどりの日』は、日本夜景遺産認定『足利フラワーパーク』に行った。余りの人混みで、迷い、見失ってしまった。その後は、wifeが、しっかりと、手を繋いで、歩いてくれた。迷い子からの脱却の忘れ得ぬ、5月の連休となった。

ページトップへ 

第213回「がん哲学学校」
『練達=練られた品性=Character』〜 輝かしき先駆者 と 新時代の形成力 〜

2017年05月01日


『文科省科研費新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」生命科学 4プラットファーム「説明会・成果シンポジウム」』(一橋講堂に於いて)に出席した。筆者は、『コホート・生体試料支援プラットフォーム』の『総括支援活動』の連携研究支援者として、「青少年市民公開講座の開催」の担当を仰せつかっている。今年度は、福井県で今秋開催される予定である。まさに、『がん教育』である。

第106回日本病理学会総会(会長:落合淳志 国立研究開発法人 国立がん研究センター、京王プラザホテルに於いて)に参加した。今年のテーマは、『進化する病理学 〜叡智の結集と革新の萌芽〜 』であった。まさに、「10 年後の病理医の役割」を静思する時でもあった。思えば、同じ会場で、筆者が会長を務めた第99回日本病理学会総会 (2010年) が、走馬燈のように甦ってきた。その時、今は亡き恩師:菅野晴夫先生に特別企画『病理の百年を振り返って』をして頂いた。「病理の本質」の精神が、鮮明に甦る今回の日本病理学会総会であった。

日本病理学会総会終了後、神田での「新渡戸・南原賞委員会同窓会」に赴いた。大変、楽しい、有意義な、夕食会であった。『人間と人格の違い』、『練達=練られた品性=Character』(ローマ人への手紙:5章4節)で、話が大いに盛り上がった。まさに、「がん哲学外来」の理念・基軸でもあらう。丁度、同日に『Boys be ambitious ! クラーク離日140周年記念:がん哲学外来カフェ 〜 樋野先生交流会〜』(2017年8月6日、札幌に於いて)のチラシが、札幌から送られて来た。

『「吉田松陰記念 北千住がん哲学外来」開設記念 講演会 〜 勇ましき高尚なる生涯〜』に招かれた。足立区議会議員も出席され、会場は、大盛況であった。今後、足立区で、メディカルタウンを推進して頂ける予感がする。講演会は、『新日本の最も輝かしき先駆者の一人たる吉田松陰』(武士道:新渡戸稲造 著)の再認識の時でもあった。まさに、「過渡期的日本の指導原理」&「新時代の形成力」である。「医療の幕末 から 医療の維新 へ」の歴史的展開の時代到来である。参加者の方からは、「『がん哲学外来へ ようこそ』(新潮新書)から元気をもらっています」との、温かい励ましの言葉も頂いた。大変嬉しかった。

ページトップへ