樋野興夫ブログ 「がん哲学学校」

第206回「がん哲学学校」
誕生日プレゼント〜『大切な物(宝)は、町の中(日常生活の中)にある』〜

2017年03月13日


3月7日は、筆者の誕生日であった。最近、時の速さを感ずる今日この頃である。誕生日の早朝、島根県出雲大社鵜峠に住む、94歳の母親から、電話が来た。涙なくして語れない! 今年は、『<がん哲学外来> 矢内原忠雄記念 本郷通りカフェ』・『日本地域医療連携システム学会』・『日本メディカルビレッジ学会』のスタッフの皆様が、心温まる誕生会を企画して下さった。想い出に残る、楽しい一時であった。因みに、矢内原忠雄は、1893年1月27日生まれ、南原繁は、1889年9月5日生まれ、新渡戸稲造は、1862年9月1日生まれ、内村鑑三は、1861年3月23日生まれである。誕生日の翌日は、wifeと息子と、夕食の時を持った。

岩手県民情報交流センター(盛岡市)での、Educational Seminar in IWATEで、
講演「がん哲学外来 〜 新渡戸稲造に学ぶ 〜」をする機会が与えられた。盛岡は、新渡戸稲造の出身地である。盛岡には、特別の想いがある。会場には、「新渡戸基金」の内川頴一郎理事長、娘様も聴講に来て下さった。大変、感激した。『われ 21世紀の新渡戸とならん』(2003年発行)から早15年が過ぎた。医師の冷たい言葉で、悩まれたという遺族の質問で、「お医者様へ。愛することの喜びを 経験されたことは おありですか?」(マザー・テレサ) の言葉が甦った。

土曜日午後、「<がん哲学外来> 第58回お茶の水メディカル・カフェ in OCC」が開催された。70名を超える参加者で、会場は満席であった。驚きである。Wifeも、80人分のケーキを作って、持参した。まさに、『病気であっても、病人ではない』、『解決できなくても、解消はできる』、『大切な物(宝)は、町の中(日常生活の中)にある』など、『心の目』が開かれる体験の場ともなった。最新刊の『いい人生は、最期の5年で決まる』(SB新書)、『人生から期待される生き方』(主婦の友社)も、話題になった。筆者にとっては、内村鑑三の「最後の5年間の穏やかな人生」が原点にある。『あなたの中の 最良のものを、世に与えなさい』(マザー・テレサ)の言葉を、再確認する時でもあった。

拙著『こころにみことばの処方箋——世界に広がる「がん哲学」』(いのちのことば社)の重版の知らせが届いた。韓国語訳に続いて、既刊の英語訳、中国語訳、ウイグル語訳も進行中のようである。忘れ得ぬ、『誕生日週間』であった。

ページトップへ 

第205回「がん哲学学校」
『石見銀山 がん哲学外来・カフェ』の開設〜 「愛の実践者」 〜

2017年03月06日


金曜日の夜、西村元一先生 著『余命半年、僕はこうして乗り越えた!』(ブックマン社発行)と拙著『苦しみを癒す「無頓着」のすすめ』(ブックマン社発行)の発売記念としてコラボレーション『がん患者と医療者のあいだにある溝、どうやったら埋められる?』(金沢市の「元ちゃんハウス」に於いて)が開催された。セミナールームは満席であった。人生、忘れ得ぬ想いでの時となった。

早速、『講演会では聴衆の皆様からの発言も多く、とても有意義な時間でした。西村先生には病身でありながら、先生らしい明快な発表を繰り広げられる姿に逆に元気をいただき、また、樋野先生からは、特に質疑応答時間の先生のお応えぶりから、私は樋野先生はまさに「愛の実践者」であるという確信を得たなあ、と今朝になって思い返しておりました。』、『「がん哲学外来」での愛情溢れるお言葉を実感して、ここに感謝申し上げるところです。』と、身に余る、お言葉を頂いた。涙なくしては、語れない。

思えば、2002年 NHK大河ドラマ『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』の放映の年に、金沢大学医学部の学生講義『利家とまつ』で、参上した時の事が、大変、懐かしく想いだされる。まさに「冗談を実現する胆力」のゴーサインの時であった。雪に蔽われた妙高山、立山連峰の壮大なスケールには、心が癒やされた。

翌日、金沢から、『浅井三姉妹記念 がん哲学外来』と『がん教育特別授業“生きる”の教室:がんってなに? 命の尊さ、人を支えることとは?』(福井県済生会病院に於いて)に赴いた。聴講されていた、小学生・中学生・高校生、その父兄の、『考え深げな黙想と 真摯な魂と 輝く目』には、大いに、感動した。

日曜日、島根県大田市での講演会「平成28年度 緩和ケアを考える集い〜緩和ケアはここから始まる〜」(「主催:緩和ケアネットワーク大田・島根県県中央保健所、共催:大田市」)で、講演「がん哲学外来〜医療の隙間を埋める〜」をする機会が与えられた。『石見銀山 がん哲学外来・カフェ』の6月の開設が、早速、決定された。『速効性と英断』の実践力には、本当に驚くばかりである。

ページトップへ 

第204回「がん哲学学校」
『人生から期待される生き方』〜 不思議な、稀な、出会いの連続 〜

2017年02月27日


第154回南原繁研究会(学士会館に於いて)に出席した。今回は、『南原繁著作集第3巻』の「新ヘーゲル主義の社会哲学」(pp.162-176)であった。その中に、『———、教授のような意味における広汎な綜合的「社会哲学」をもって一つの特殊哲学として立て得るやについても、大きな疑をもつ。私はむしろ国家或いは政治哲学・法律哲学・歴史哲学・道徳哲学等、個別的に形成されることを正当と考えるものである。』(p 176)とある。筆者が、『がん哲学』を提唱した、根拠は、ここにある。思えば「南原繁研究会」は、ともに東京大学総長であった矢内原忠雄 (1893-1961) の没40周年記念(2001年)を、今は亡き鴨下重彦先生と企画したことを契機に、始まった。不思議な、稀な、出会いの連続である。

Nagoya junior high trio hold cancer event to share concerns(http://www.japantimes.co.jp/news/2017/02/20/national/nagoya-junior-high-trio-hold-cancer-event-share-concerns/ )(The Japan Times News 2017年2月20日付け)、メディカルカフェで哲学外来 (https://www.ehime-np.co.jp/article/news201702237517 ) (愛媛新聞 2017年2月23日付け) の記事が、大学から送られてきた。名古屋の中学生の「がん哲学外来カフェ」の活動が、英語版で紹介されるとは、驚きである。これは世界的発信であり、歴史的快挙である。中学生の生涯にとって「人生の大きな想いで」となろう。四国がんセンター (愛媛県松山市) での「坂の上の雲 暖だんカフェ」の記事にも大いに感動した。若き日、道後温泉で『坂の上の雲』を読書した、想いでが脳裏に浮かぶ。まさに『医療維新』の原点である。 

新刊『人生から期待される生き方』(主婦の友 社発行) が、出版社から送られてきた。「あとがき」には、2008年 順天堂大学で始めた「がん哲学外来」の、今は亡き、癌研時代の恩師『菅野晴夫先生』の応援、菅野晴夫先生との出会いから、「南原繁」、「吉田富三生誕100周年記念事業」、「新渡戸稲造 武士道100周年記念シンポ」へと導かれた経緯を簡単に触れた。「がんを広々と理解する病理学者:菅野晴夫先生」との出会いは、「もしかしたら この時の為」と痛感する、今日この頃である。『いい覚悟で生きる』(小学館発行) の実践でもある。

ページトップへ