樋野興夫ブログ 「がん哲学学校」

第164回「がん哲学学校」
『心の向きを変えよ!』〜行動への意識の根源と原動力〜
 

2016年05月23日


平成28年度全国がんプロ協議会総会(慶應義塾大学信濃町キャンパスに於いて)に、アドバイザーとして出席する機会が与えられた。文部科学省高等教育局の方も出席され、第2期がんプロの成果が発表された。筆者は、終わりにコメントを求められ、「がんプロ」の意義、第3期がんプロの継続の必要性、真のチーム医療の役割について、さりげなく語った。「がんプロ」は、医療者の『心の向きを変えよ!』の『場』でもあり、医療維新の『事前の舵取り』となろう。 

『新島襄記念がん哲学外来 in 伊勢崎市民病院』開設記念に赴いた。『内村鑑三記念』(群馬県沼田市)、『新渡戸稲造記念』(札幌・盛岡)に続いて、『新島襄記念』が開設されたのは、歴史的快挙であり感慨無量である。『新島襄』と言えば、『行いの美しい人(a person who does handsome)』が想い出される。今後、定期的に開催されるとのことである。新島襄 (1843〜1890)—>内村鑑三(1861〜1930)—>新渡戸稲造(1862〜1933)は、筆者にとって、人生の源流であり、南原繁(1889〜1974)−>矢内原忠雄(1893〜1961)->吉田富三(1903〜1973)−>へと大きく流れた。菅野晴夫先生、Knudson博士との、出会いでは、「学には限りないことをよく知っていて、新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。」を学んだ。まさに「人生の階段を登り、自分の身長が伸びた」実体験であった。すべての始まりは「人材」である。行動への意識の根源と原動力をもち、「はしるべき行程」と「見据える勇気」、そして世界の動向を見極めつつ、高らかに理念を語る『実例と実行』であった。

土曜日の午後、「<がん哲学外来> 第48回〜第4周年記念スペシャル〜お茶の水メディカル・カフェ in OCC」が開催された。今回は、素晴らしい「ソプラノ、ピアノ コンサート」が企画された。多数の参加者があり、カフェも、心和む懇談の一時であった。「日本の傷を医す者」(矢内原忠雄: 1893-1961年、1945年12月23日の講演)が蘇った。1)賢明な寛容さ (the wise patience) 2)行動より大切な静思 (contemplation beyond action) 3)紛争や勝利より大切な理念 (vision beyond conflict and success) の新渡戸稲造の精神を想い出した。まさに、「人間の身体に起こることは、人間社会でも起こる=がん哲学」である。

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第163回「がん哲学学校」
「Howeverなのです。人生は」〜『相手のために自分の時間を使う』〜
 

2016年05月16日


先週末、「朝日カルチャーセンター/朝日JTB・交流文化塾」(新宿住友ビル内)で『明日この世を去るとしても 今日の花に水をやりなさい』で、講演する機会が与えられた。多数の聴講者があり、一番広い部屋も、満席であったようである。驚きである。終了後は、『日本地域医療連携システム学会』主催の
「第1回地域医療連携Café in 本郷」(文京区)で、『温かい手・温かい心・温かい笑顔』で講演する機会が与えられた。『医療協働体』の時代到来である。

「がん哲学外来・まちなかメディカルカフェin さいたま & 新座志木がん哲学外来・カフェ」シンポジウム『Howeverなのです。人生は〜「人生はいばらの道。にもかかわらず笑顔の人に、人は励まされる」』(さいたま メディカルタウンに於いて)が開催された。筆者は、第1部の「基調講演」をする機会を与えられた。第2部シンポジウム「まちなかのちから〜背景の異なる私たちが まちなかの語り場で出会い、思うこと」、第3部「がん哲学外来メディカルカフェ」の構成であった。懇親会も、大いに盛り上がった。当日の毎日新聞の朝刊の『今週の本棚』には、『中村桂子 評 がん哲学外来へ ようこそ〜相手のために自分の時間を使う〜』が、大きな記事で紹介されていた。内容の深さに、感動した。

第105回日本病理学会総会(仙台国際センターに於いて)(2016年5月12日〜5月14日)に参加した。今年のテーマは『症例から学び直す病理学』であった。
筆者は、『診療領域別講習特別プログラム 研究講演会』で、「家族性腫瘍〜マクロからミクロ〜」を、長島洋治先生(東京女子医科大学病院)と担当した。長島洋治先生の「緒言」に始まり、鈴木眞一先生(福島県立医大)による「多発性内分泌腫瘍症(MEN)」、石田秀行先生(埼玉医大総合医療センター)による「家族性大腸癌」、関根茂樹先生(国立がん研究センター中央病院)による「大腸癌患者を対象としたリンチ症候群スクリーニングにおける免疫染色の役割」、佐伯春美先生(順天堂大学)による「家族性腫瘍:結節性硬化症研究で得られた結果をリンチ症候群研究に応用する」であった。筆者は、「総括」で、『家族性腫瘍』は、「純度の高い専門性と社会的包容力の実践の場」であり、「遺伝病も単なる個性である社会構築」の時代的要請について、発言した。 

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第162回「がん哲学学校」
『「愛された記憶」の場作り』〜「もしかすると、この時のため」〜

2016年05月09日


2016年のゴールデンウイークの到来である。今年は、筆者は、5月3日「開設記念 がん哲学外来&メディカルカフェ in 野田」(千葉県野田市南コミュニテイ-会館に於いて)、5月4日『NCN(奈良キャンサーネットワーク)若草の会「樋野先生を囲んで、第10回がん哲学外来〜大仏さんカフェ」』(奈良市)に赴いた。少し早めに、近鉄奈良駅に到着したので、奈良公園、興福寺(康慶、運慶 父子)を探索し、愛らしい鹿を眺めて時間を過ごした。近鉄奈良駅の広場にある、「孤高の数学者」と称された岡潔(文化勲章受賞者)の「奈良市民憲章」の中に、「奈良は未来をひらくまち」と記述されていた。有意義な「大仏さんカフェ」を終えて、大阪での講演「第6回 心斎橋メディカルカフェ」に向かった。

5月5日、神戸薬科大学で、午前は、「第1回がん哲学塾」、午後は、「文部科学省がんプロフェショナル養成基盤推進プラン『地域・職種間連携を担うがん専門医療者養成』事業神戸薬科大学第9回がんプロ」講演会『がん医療における「対話」とは』で、「よく聞き、よく話す〜がん哲学外来カフェでの学習〜」のタイトルで講演する機会が与えられた。当日、名古屋から母娘さんも参加され、「娘の特製、樋野先生クッキーの完成です!」を持参された。とても美味しかった。また、ご主人、息子さんも、一緒に、家族全員で、発行された『シャチホコ記念新聞』を配付された、母様のがん罹患は、「もしかすると、この時のためであるかもしれない」(エステル記4章14節)を実感した。まさに、「21世紀のエステル」の誕生のイメージであった。家族の大いなる祝福となろう。今回は、歴史的な『「愛された記憶」の場作りの「がん哲学塾」』ともなった。

兵庫医科大学外科学教授で、『「胃癌の外科の名医」として著名な笹子三津留先生・奥様』も、参加して下さり、大いに感激した。5月から「がん哲学外来・メディカルカフェ こころのともしび」(神戸市御影に於いて)を開設されるとのことである。まさに、「純度の高い専門性と社会的包容力」の模範である。おりしも、2016年4月16日に開催された市民公開シンポジウム『がん哲学外来〜純度の高い専門性と丁寧な大局観〜』の記事(『医療タイムズ』の特集号(2016年5月号)が送られてきた。表紙も、格調高いシンポの風景であり、感動した。

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