樋野興夫ブログ 「がん哲学学校」

第199回「がん哲学学校」
『日本のゆくえ』〜「旧約の日本」&「遺りの者」〜
 

2017年01月23日


『第6回 がん哲学外来 矢内原忠雄記念 〜 本郷通りカフェ 〜』(ゆい訪問看護ステーションに於いて)が開催された。大変、充実した一時であった。筆者は、若き日、矢内原忠雄の本、『内村鑑三とともに 上下』(東京大学出版会)、『教育と人間』(東京大学出版会)、『政治と人間』(東京大学出版会)、『大学について』(東京大学出版会)、『私の歩んできた道』(東京大学出版会)、『人生と自然』(東京大学出版会)、『日本のゆくえ』(東京大学出版会)、を、夜を徹して精読したものである。『日本のゆくえ』の中の「旧約の日本」&「遺りの者」の言葉は、脳裏に、深く刻まれたものである。現代にも生きる。

『私の歩んできた道』の「新渡戸校長の面会日」(5、6ページ) に「新渡戸先生が生徒に面会する面会日というのを作っておられた。そして学校の校長室では生徒が窮屈がって来ないだろうというんで、わざわざ学校の近くに家を一軒お借りになって、木曜日の午後、そこに行きたい生徒はだれでもこいというわけで、塩せんべいや 最中なんか出されて食べながら生徒の質問に答えて、何でも話された。—— その面会日に私も行きまして、まあ個人的には非常に教えられた。」とある。「わざわざ」の表現が『がん哲学外来』を開設に言った原点でもある。

平成 28年度 医学研究科 <大学院特別講義(英語)>『発がん機構』の機会が与えられた。90 分の英語の授業であったが、教室は、満員であった。学生も、一生懸命に頑張って、英語で多数の質問をしてくれた。学生の熱意には、感動した。授業内容は、順天堂醫事雑誌において、英文による総説(Lecture Notes)として掲載するように、大学の教務課から依頼された。また、武蔵野大学の看護1年生の『病理学』で、「新生児の病理」&「先天異常」の授業に、赴いた。

週末、倉敷市での『ジョイフル がん哲学メディカルカフェ in 玉島』開設記念(玉島教会に於いて)に、招待された。『樋野 興夫先生「がん哲学外来」創立者 講演会』とのことであった。会場は、一杯であり。スタッフ、参加者の思いには、大いに感激した。今後、定期的に、毎月、開催されるとのことである。新幹線の窓から見る「雪の富士山の壮大な風景」には、大いに、心が癒された。

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第198回「がん哲学学校」
「見据える勇気」〜『凜として生きるために』〜 

2017年01月16日


『青少年のためのがんセミナー』(主催:文部科学省新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」コホート・生体試料支援プラットフォーム、共催:文部科学省 生命科学連携推進協議会、後援:栃木県教育委員会)(栃木県青年会館)に参加した。石川冬木先生(京都大学大学院 生命科学研究科 遺伝機構学講座 細胞周期学分野 教授)の『開会の挨拶』、『がん臨床の実際〜チームプレーで患者さんを治す〜』、『医学の懸け橋〜私が病理医になるまで〜』が、発表された。筆者は『閉会の挨拶』の機会が与えられた(下野新聞 2017年1月10日付け)。

第14回 関東中皮腫症例検討会(順天堂大学に於いて)が開催された。診断の難しい中皮腫の症例の細胞診の深い学習の時であった。「純度の高い専門性」の検証と実践の場であった。ラジオ NIKKEI『大人のラジオ がん哲学学校』では、川越厚先生(「パリアン」理事長)と対談する貴重な機会が与えられた。「行動への意識の根源と原動力」と「見据える勇気」は、「医師の使命」であろう。
週末、雪の降る名古屋での、「祝・一周年!! がん哲学外来メディカル・カフェ in シャチホコ記念」では、講演『軽やかに爽快に、凜として生きるために』(中区社会福祉協議会に於いて)、その午後、第12回 ホスピス聖霊講演会で、講演『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(聖霊病院に於いて)を、する機会が与えられた。共に、会場は、満員であった。感激した。

「がん哲学外来 花一輪カフェ 開所記念講演会」で、特別講演『がん哲学外来へようこそ 〜 人生いばらの道でも宴会を 〜』(八千代市保健センターに於いて)、その後、NPO法人 人生まるごと支援7周年記念シンポジウム『「おりとりさま」を支えるチームケア「人生まるごと協力隊」の実現に向けて』、(日比谷図書文化館に於いて)で、上野千鶴子先生の講演『おりとりさまで がんで死ぬ』 に続いて、筆者は、講演『ひとりのがん患者に寄り添う』をする機会が与えられた。早速、『今後在宅での医療 & 介護が増えると同時におひとりさまの支援について、とても良い学びの機会になりました。会場も満員で素晴らしいシンポジウムでした。』、『今日のシンポジウム 凄い盛り上がりでした。樋野先生、上野先生のトーク おもしろくて楽しかったです。』などのコメントを頂いた。

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第197回「がん哲学学校」
『人生から期待される生き方』〜母への鳶の恩返し〜

2017年01月09日


正月を過ごしたアメリカのボストン在住の娘夫妻の所から wife と帰国した。飛行機の中で、映画『永遠の0』を観賞した。「特攻で戦死したゼロ戦パイロット」の物語である。筆者の伯父は、第二次世界大戦で、特攻で戦死した。幼い時から、母に毎日のように物語を聴いて育った。水戸航空隊へ面会に行った祖父、伊丹飛行場へ不時着し、伯父と母との今生の別れ、そして空を3回旋回して旅立つ姿。本当に、涙なくして語れない。

今年は、酉年である。島根県出雲市鵜峠の実家の裏庭に羽を傷ついた鳶が降り立ち、母は、その鳶に餌を与え育てた。傷が治り、空に旅立った鳶が、一年後、再び現れ、裏庭の上空を旋回し、一羽を裏庭に落とし、飛び去っていった。母に対する恩返しである。此は、忘れ得ぬ、若き日の実話である。

1月7日の午後、「<がん哲学外来>第56回お茶の水メディカル・カフェ in Occ New Year Special」は、尺八、箏の演奏、お汁粉もあり、大盛況であった。『がんに効く心の処方箋 一問一答 〜悩みがスッキリ軽くなる〜』(廣済堂出版: 2017年1月5日発行)が Occ の2階のCLC書店の棚に積重ねで置かれていた。会場では本のサインも行った。『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎発行 2015年8月5日初版)の韓国語訳が、新年明けに送られえ来た。中国語訳(繁字体)も出たとの連絡が、ミシガン在住の娘の台湾の友人から、表紙の写真が、娘のメールに送られて来たようである。驚きである。

2008年1月に、順天堂大学で、「がん哲学外来」を始めた。昨年は、その「がん哲学外来」を、快挙と褒めて、応援して頂いた2人の恩師を失った。フィラデルフィア時代の恩師
Alfred G. Knudson, Jr., MD, PhD

(1922年8月9日- 2016年7月10日) が93歳で、癌研時代の恩師:菅野晴夫先生 (1925年9月13日— 2016年10月30日) が享年91歳で、逝去された。「主婦の友社」から2010年『がん哲学外来から見えてきたもの〜末期がん、その不安と怖れがなくなる日〜』、改定版が2012年『がんと暮らす人のために〜がん哲学の知恵〜』が発行された。

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