樋野興夫ブログ 「がん哲学学校」

第177回「がん哲学学校」
『大きな目的をもつ』〜 人間は、おのずから成長する 〜 

2016年08月22日


盆休みに、wifeと帰郷した(鵜峠)。久しぶりに母(93歳)に逢い、涙なくして語れない! 我が家は、叔父 2人を戦争で亡くしているので、毎年 8月15日の恒例の『鵜鷺地区戦没者慰霊祭』(鵜峠 + 鷺浦=鵜鷺)には招待される。今年は、筆者とwifeで参加した。実家の庭園にある石碑「花は咲き 実は永劫に 結ぶなれ」(24歳で1944年12月22日 比島 バナイ島西方にて、特攻隊で戦死した筆者の叔父の辞世の句)を見ながら静思した。出雲大社の「島根県立古代出雲歴史博物館」の見学、古事記の「因幡の白兎」の物語も再読した。筆者の同級生の務める「うさぎ森林公園 夢の森うさぎ」と、従兄弟の経営するデイサービス『野いちご』も訪問した。帰郷は『深い知識 & するどい感覚』の再学習でもある。

村の人たち、Uターン、Iターンの人たちと、wifeと一緒に、盆踊りを楽しんだ。
翌日、東京からのIターンの方の自宅を訪問して、お茶を飲みながら「鵜鷺 メディカル ビレッジ」構想について、語り合った。帰京して、『日本メディカル ヴィレッジ学会』 http://organizationmv.wixsite.com/mysite/dr-hino-column 理事会が開催された。2016年9月12日『日本メディカル ヴィレッジ学会』第1回公開シンポジウム(栃木青年会館アイリスホールに於いて)の開催が決定された。筆者にとっては、「万座・鵜鷺・日光」が、まずは、日本国の「メディカル ヴィレッジ」のモデルである。若き日に読んだ、ヒルテイ『幸福論』の「『人間は大きな目的をもつにつれてーーおのずからーー成長する』のである。こうした大きな目的がなければ、教育という人工的温床で人間を造ろうとしても、それは無駄である」が、改めて、脳裏に、明確に浮かんだ 今回の帰郷であった。

文科省科研費 新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」生命科学連携推進協議会 発足記念キックオフシンポジウムに出席した。ボストン(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201203/524182.html )
と 北イタリア (Musicco M, et al. Neurology 2013 81: 322-328) からの「認知症と癌は逆相関」の論文が筆者の頭に甦った。日本国でも、これを検証する研究プロジェクの立ち上げは、タイムリーなことであろう。「Quality of Life」vs「Quality of Death」の学びは、「がん哲学外来」の基軸的な命題でもある。

ページトップへ 

第176回「がん哲学学校」
「手の届く限りに於いて 手をつける」 〜『誠実・手腕・洞察力・気骨』〜
 

2016年08月15日


「内村鑑三記念 メディカルカフェ・沼田 がん哲学外来」 & 「矢内原忠雄記念 本郷通りカフェ」に赴いた。『「内村鑑三を敬愛する病理学者。がん学を専門とし、医療の「すき間」を埋めるため、「偉大なるお節介」を信条とし日本で初めて「がん哲学外来」を開設。がん難民の救いのため、全国にその輪を広げることに努めておられます。」と紹介されていた。「矢内原忠雄記念 本郷通りカフェ」も、今後、毎月、開催されるとのことである。感激である。まさに、「手の届く限りに於いて 手をつける」(矢内原忠雄)の実践である。筆者の若き日の夜を徹しての読書の対象は、「内村鑑三・新渡戸稲造・南原繁・矢内原忠雄」の 4人 のみであったと、言っても過言でない。筆者を引きつけたのは、4人の感化力を備えた『誠実・手腕・洞察力』と、「歴史的な社会変動期」における、ぶれぬ『気骨』である。筆者の「言葉の処方箋」の源泉は、ここにある。

「がん哲学外来 in 県中“やまの日”講演会 第1回 富山県立中央病院 がん哲学外来 〜 愛情・配慮・寄り添い 〜」(富山県立中央病院)が、開催された。富山県立中央病院 緩和ケアセンター長 渡辺俊雄先生の <オープニング>に始まり、 <セッション1> の、「富山県立中央病院 がん哲学外来の これからーー」(富山県立中央病院 緩和ケアセンター 竹川茂先生)に続いて、<セッション2> で、筆者は、『あなたのことを 想ってくれる人が そばにいる』のタイトルで、講演の機会が与えられた。<セッション3> では、「メディカルカフェ“緩(ゆる)り”」が、企画された。その間、筆者は、入院患者のベットサイドで個人面談を行った。会場は、金沢大学の医師、金沢の市民の参加もあり、大盛況であった。今後、定期的に、毎月、開催されるとのことである。

冨山から、福井県済生会病院での5周年記念ともなる「浅井三姉妹記念 がん哲学外来」に赴いた。悩める患者・家族と『対話』しながら、時折、難問には、「内村鑑三・新渡戸稲造・南原繁・矢内原忠雄」の「助言」を求めた。開設から、5年とは、当時を想い出しながら、スタッフの情熱と胆力に、感服した。11月には、「北陸 3県(福井・金沢・冨山)がん哲学外来」合同大会が、金沢市で、開催されるとのことである。歴史的な大事業ともなろう。乞うご期待である。

ページトップへ 

第175回「がん哲学学校」
教育とは 〜「空っぽの器の場の設定」〜

2016年08月09日


「がん哲学外来 新百合ヶ丘メディカル・カフェ 3周年記念 講演会」(新百合ヶ丘21ホール)に赴いた。福田護先生(聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長、新百合ヶ丘メディカル・カフェ顧問)による講演、桜井奈緒美氏(資生堂ライフクオリティービューティーセンター Makeup Carist)による「がん患者さんのための カバーメーキャップ」の講演に続いて、筆者も講演の機会が与えられた。大盛況あった。

2016年 がん診療連携拠点病院機能強化事業 公開講演会「新病棟完成記念・内村鑑三記念がん哲学外来5周年記念」(沼田病院地域医療研修センターに於いて)に赴いた。独立行政法人国立病院機構 沼田病院院長 前村道生先生の座長による『痛みのミステリー』(小山なつ先生:滋賀医科大学 准教授)の話は、「身体性&情動性の痛み」についての新鮮な学びとなった。その後、がん診療部長 見供修先生が座長になって下さり、筆者は「がん哲学外来の処方箋〜あなたはそこにいるだけで価値ある存在〜」のタイトルで、講演を行った。沼田利根医師会の先生の『来賓のご挨拶』、また、患者会「地域がんサロンぐんま」、伊勢崎市民病院、群馬大学の医師、看護師の参加もあり、会場は、満席であった。

EMF サマーキャンプ 2016(香川県青年センターに於いて)での講演「人生の邂逅の3大法則〜良い先生・良い友・良い読書〜」に招待された。『勝海舟・新島襄・内村鑑三・新渡戸稲造・南原繁・矢内原忠雄・吉田富三』について語った。

今度、『矢内原忠雄記念 本郷通りカフェ』(ゆい訪問看護ステーション)が開設されるとのことである。矢内原忠雄 (1893~1961)(東大総長:1951~1957)の「本郷通りに、悩める学生の為に、カフェを開くのが、夢」の実現化でもある。矢内原忠雄は、夢果たせずに、胃癌で亡くなった。新渡戸稲造 (1862~1933) は、第一高等学校の校長の時(1906-1913)、「学生は、校長室は敷居が高いので、相談に来づらい」と、学校の近隣に、木曜日の午後、カフェの場所を設定し、そこには、当時、第一高等学校の学生であった矢内原忠雄も、参加していたと、筆者は、若き日から教わった。教育とは「空っぽの器の場の設定」でもあろう。

ページトップへ